日々のあぶく

こだわらないゆるゆるライフ

12にんのいちにち

「ふしぎの国のレイチェル」「ダーウィンのミミズの研究」の挿絵の杉田比呂美さんによるグランドホテル形式の絵本「12にんのいちにち」。

ある街の12人の1日を2時間ごとに描いた絵本で、なんか日本の絵本ぽくないなあーおしゃれーと思いました。

登場人物は、わんぱく小学生、ペンキ職人、看護師、偉大なる街の音楽家(銅像)、テレビの記者、パン職人、消防士、ネコと二人暮らしのおばあさん、小説家、配達屋、赤ちゃん、そして動物園のライオン。

見開きで12のコマにそれぞれの1日が映し出されますが、寝る時間や活動がばらばらの12人なのに、あるとき別の誰かのコマに登場したりどこかで繋がっていたりするのが読んでいて楽しいです。

個人的にはママの知らないところで黙々といたずらを働く赤ちゃんがかわいいなあと思います。
赤ちゃんは冒頭(朝6時のコマ)では起きていて、自分のベビーベッドから真っ暗な部屋をじっと見ているだけなのですが、その一コマがツボです(乳幼児あるある)。

小説家が小説を書いているっぽい時間が短いのがまた心配な感じです。

12にんのいちにち

12にんのいちにち

ヤンバルクイナ

約10年にわたって沖縄・やんばるの森に通い、その生態を写真に収めてきた江口欣照(よしてる)さんの科学絵本「ヤンバルクイナ 世界中で沖縄にしかいない飛べない鳥」。

それまで人びとに知られることのなかったヤンバルクイナは約30年前の1981年に捕獲され、世界的な新種の鳥類の発見として世界的なニュースになりました。

そして翌日82年、国の天然記念物に指定されますが、その時の生息数が2000羽ほど。
2001年の調査では12000羽。
2005年では700羽まで減少しており、2006年に絶滅危惧種ⅠA類に指定。

地元の人や専門家によるさまざまな保護活動が実を結び、2012年では1500羽まで生息数は回復していますが、マングースや野ネコによる捕食、開拓・開発による森の減少、交通事故等、ヤンバルクイナを危機に晒す原因はまだまだたくさん残っています。

自動車に轢かれて死んでいるヤンバルクイナの写真が衝撃的で、考えさせられます。

あかくんとあおくん

「あかくんとあおくん」
交差点の歩行者信号で仲良く働いていたあかくんとあおくん。
ある夜ケンカした拍子にあおくんが信号機から飛び出て行ってしまい、交差点が大変なことに。

仲直りして二人で一緒に渋滞する街を見下ろした時、自身の役割と責任について改めて考え、信号機の仕事に励みます。

躍動感のあるキャラクターやたくさんの自動車たちがいきいきと描かれています。

「しまうままーくん」「ふたりぼっち」などの絵で知られるミシェル・ゲを父に持つガブリエル・ゲの作品。
ガブリエル・ゲは81年生まれだそうだから、同い年かあー。

あかくんとあおくん

あかくんとあおくん

クレヨンからのおねがい

「クレヨンからのおねがい」

12色それぞれの色のクレヨンが、クレヨンの持ち主ケビン宛に書いた手紙で構成された絵本。

使われすぎて疲れる、使われなさすぎてさみしい、1年で一度も使ってくれなかった、きれいに塗ってくれなくてつらい、、、などなど、どのクレヨンもケビンに言いたいことがあるようです。

ユーモアあふれるデイウォルトの視点でクレヨンたちの気持ちを代弁して「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストで第1位を獲得し、「みつけたよ、ぼくだけのほし」「心をビンにとじこめて」「あ、ひっかかった」のオリヴァー・ジェファーズの絵でかわいくほっこりする絵本です。

白とうすだいだいの手紙が涙を誘います。。。

クレヨンからのおねがい!

クレヨンからのおねがい!

だいおういかのいかたろう

地元大分の小学校跡をアトリエに活動するお若い二人組、ザ・キャビンカンパニーの絵本デビュー作「だいおういかのいかたろう」。

原画はベニヤ板に描かれているそうで、絵本でもところどころに木目の質感が浮き上がっています。

湖で凍ってしまったダイオウイカのいかたろうを、登園途中のゆめたくんが見つけて助けてあげるほっこりストーリー。

ダイオウイカのいかたろうが助けてくれたお礼にと、「さむさがふっとぶいかダンス」をおしえてくれ、みんなでいかダンスをおどって楽しみます。

巻末には「いかたろうのいかダンス」として楽譜もついています。
リズムがよく、踊りたくなってくる曲です。

だいおういかのいかたろう (ひまわりえほんシリーズ)

だいおういかのいかたろう (ひまわりえほんシリーズ)

つられたらたべちゃうぞおばけ

「つられたらたべちゃうぞおばけ」

おばけにつられてあくびをしたら、おばけにつられて笑ったら、「つられたらたべちゃうぞおばけ」に大きな口でぱく〜んと食べられてしまいます。という、「つられたらたべちゃうあそび」をこどもたちと繰り返す「つられたらたべちゃうぞおばけ」。

見開き一面で大きな口で遅いかかるおばけの姿がなんとも可愛くて迫力満点でこわくてカラフルで、きっと「つられたらたべちゃうぞおばけ」が好きになります。

第20回日本絵本賞の候補絵本。


つられたらたべちゃうぞおばけ (絵本・こどものひろば)

つられたらたべちゃうぞおばけ (絵本・こどものひろば)

ながいでしょ りっぱでしょ

長いもの自慢の動物が次々に自慢の長いものを披露していく「ながいでしょ りっぱでしょ」。

長い動物、ゾウ、ヘビ、キリン、ダチョウ、ウサギ、サル、ニワトリが、自分の長いものを「えっへん、どうです。ながいでしょ、りっぱでしょ」とと口々に自慢を繰り広げます。
ニワトリは何が長いのか、最後にわかるのでお楽しみに。

「おてて絵本入門」「うんこ!」「とこやにいったライオン」などの作者、サトシンさんの文と、「おやおや、おやさい」「くだものだもの」などの絵本で知られる山村浩二さんのやさしかわいい動物の絵です。

第20回日本絵本賞の候補絵本。

ながいでしょ りっぱでしょ

ながいでしょ りっぱでしょ

どうぶつしんちょうそくてい

動物園で動物たちの身長を測る様子をおもしろく描いた「どうぶつしんちょうそくてい」。

ウサギやワニやキリンやシロクマがやってきますが、これがなかなか個性的で笑えます。
少しでも大きくなりたいとズルしたり、コアラは身長計で寝てしまったり。

同じシリーズで「どうぶつたいじゅうそくてい」もあります。

本当のところは動物園では健康チェックのために身長じゃなくて体重を量るそうですが、絵本の取材のために上野動物園で実際に身長を測ってきたのだそうです。

作者は聞かせ屋。けいたろうさん。
保育士の経験もある聞かせ屋。けいたろうさんは、夜の路上で、大人に絵本の読み聞かせを始め、今では全国、世界各国に出向いて読み聞かせを行っているそうです。
これは是非ナマで見たい!

どうぶつしんちょうそくてい

どうぶつしんちょうそくてい

ほうれんそうはないています

東日本大震災に伴う原発事故を受けて出された絵本「ほうれんそうは ないています」。

原発事故によって、空と海と土が汚され、「美味しく食べてもらいたい」と願って大きく育ったほうれんそう、お米、魚、牛…。
食べてもらえなくなって悔しいみんなの気持ちを絵本にしています。

放射能汚染のことがよくわからなくても、人間のエゴで起こした災害のせいで自然や食べ物や育てている人が泣いている、ということがよくわかります。

文は「がんばらない」で有名な医師、鎌田 實さん、おかあさんといっしょ「ともだち8人」の長谷川義史さんのダイナミックな絵で、悔しさ、悲しさがとてもよく伝わってきます。

今年の第20回日本絵本賞の候補絵本です。


日本絵本賞について

日本絵本賞は、絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与することを目的に1995年に創設された賞で、1年間に日本で出版された絵本の中から特に優れた絵本に「日本絵本賞」、翻訳絵本の優れた絵本に「日本絵本賞翻訳賞」が与えられます。
また、読者の投票で選ぶ「日本絵本賞読者賞」(山田養蜂場賞)があります。

今回は第20回、候補絵本は24冊です。

過去の受賞作品はこちらです。

おさわがせなバーティくん

「おさわがせなバーティくん」

作者の死後17年経って発行された、大きな黒豚のバーティが主人公の小さな冒険物語。

「たのしい川べ」で有名なケネス・グレアムさんの文、
クマのプーさん」の挿絵で有名なアーネスト・ハワード・シェパードさんの絵、
「おばけのジョージー」シリーズや「メルリック」の翻訳、「おたすけこびと」シリーズや「きょうりゅうのたまご」を書いた中川千尋さんの翻訳で、とても可愛らしい作品です。

たった70ページほどで、そのほぼ半分が挿絵なので、すぐ読めます。
小学校低学年から読めます。

もともとは「不思議の国のアリス」のように、発表するつもりでなく、作者の息子アラステアのために書いたお話だそうです。

黒豚のバーティ、2匹のうさぎ、せっかちのもぐらがいきいきと描かれています。

おさわがせなバーティくん

おさわがせなバーティくん

きんぎょがにげた

1歳児に読み聞かせた本。

「きんぎょがにげた」

絵本の神様、五味太郎さんが82年に福音館書店から出したベストセラー絵本。

指差しできるようになった頃に、にげたきんぎょを一緒に探すと楽しいです。

いろいろ言葉も覚え始めたので、きんぎょ以外にも「バナナはどこ?」「ぞうさんはどこ?」「風船はどこ?」「くつしたはどこ?」とあらゆるものの指差しを楽しんでいます。

長年愛される絵本には訳があるなあーと思います。

きんぎょが にげた (福音館の幼児絵本)

きんぎょが にげた (福音館の幼児絵本)

だるまさんが

1歳児に読み聞かせた本。

「だるまさんが」

2005年に「おもちのきもち」でデビューし、2009年に亡くなったかがくいひろしさんが2007年にブロンズ新社から出したベストセラー「だるまさんシリーズ」の1作目。

まんまる真っ赤っかのだるまさんと、だるまさんのほんわかした表情がかわいいので大好きです。
「だーるーまーさーんーがー…」と読みながら一緒に「どてっ」としたり、「ぷっ」っと言ったりできるのが、絵本読み始めの1歳児にいいです。

とにかくわかいい。


だるまさんが

だるまさんが

ねないこだれだ

1歳児に読み聞かせた本。


これもせなけいこさんのちぎり絵の絵本のベストセラー。

「こんなじかんにおきてるのは だれだ?」
と、夜に寝ないで起きている子を脅します。

結末がわからない、ハッピーエンドじゃなさそうな感じなので、いろいろ分かってくる年になると怖い絵本です。
しかし娘はまだあんまり怖がらない、が、絵本自体は大変気に入っていて、読んでーと持ってきます。

テンポがよく、分かりやすいので1歳から読めます。

ねないこだれだのおばけのグッズがたくさん出ているので欲しいです。

あと、「ねないこだれだ」で画像検索するとパロディーというかネタ画像がたくさん見つかります。


ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)


あーんあん

1歳児に読み聞かせた本。

まだしばらくは1歳児ですが、娘が気に入ってる本をいくつか紹介します。

「あーんあん」

せなけいこさんのいやだいやだの絵本シリーズ。
「あーんあん」というセリフが出てくるたびに一緒に「あーんあん」と言って泣き真似をするのでかわいいです。
子どもたちが泣きすぎて変身するところで必ずくすりと笑います。

40年も前の出版だけど、テンポがいいしおはなしは短いし、絵も分かりやすいのでせなけいこさんの絵本はオススメです。

あーんあん (あーんあんの絵本 1)

あーんあん (あーんあんの絵本 1)